鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

トレリーフが、レビー小体型認知症の運動機能を改善させるというニュース。

 

医療NEWSより。

 

www.qlifepro.com

トレリーフとは?

 

今回の試験は、パーキンソニズムを伴うレビー小体型認知症患者351例を対象とした多施設共同、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検比較試験。トレリーフ25mg/日投与群(117例)、トレリーフ50mg/日投与群(114例)、プラセボ投与群(120例)の3群に分け、12週間投与したときの同剤の有効性および安全性を検討した。

その結果、主要評価項目である投与12週間後のUPDRS(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale)Part III(運動能力検査)合計スコアにおいて、トレリーフ25mg/日群はプラセボ群に比べて変化量の差が-2.7、50mg/日群では-2.6と、いずれも有意な改善を示したという。(上記リンクより引用)

 

 

トレリーフとは、「パーキンソン病、パーキンソン病の日内変動」に対して、2009年7月に認可を受けた薬である。

 

「パーキンソン病に対して効果があるとなれば、レビー小体型認知症に対しても効果があるのでは?」と考えるのは当然で、「やっぱり効果がありそうですよ」というのが今回の報告。

 

トレリーフのべらぼうな値段設定

 

トレリーフの一般名はゾニサミドである。

 

ゾニサミドは、1989年に「エクセグラン」という商品名で抗てんかん薬として発売され、てんかん診療に携わっている脳神経外科医や神経内科医、小児科医が使っていた(使っている)薬である。

 

一般名が同じトレリーフとエクセグランなので、薬としても全く同じものである。ただし、薬価が大きく異なる。

 

エクセグランは既に後発品が出ているので、後発品の薬価(今日の治療薬2016調べ)で比較すると、以下の様になる。ちなみに、25mgがトレリーフの一日辺りの使用量である。

 

  • ゾニサミド25mg・・・約4.5円
  • トレリーフ25mg・・・約1116円

 

同じ薬なのに248倍の薬価差である。強烈。

 

厚労省の見解としては、「抗てんかん薬として使用される場合の用量や用法と大きく異なるため、トレリーフは他の抗てんかん薬ではなく、類似のパーキンソン病治療薬と比較して算定する方が適切」とのこと。

 

要は、「古くて安い薬だけど、使い方が違うから、他の高い抗パーキンソン薬と足並み揃えて値段設定しました」ということなのだが、とても世間の理解を得られる理屈ではない。

 

8年前にMRさんから「パーキンソン病に対して認可を取りました!」とプレゼンを受けたが、このべらぼうな値段設定にあきれて、以降みずからパーキンソン病患者さんに「トレリーフ」としてゾニサミドを処方したことは一度もない。

 

当然、トレリーフが今後レビー小体型認知症に対して追加適応を取得したとしても、「レビー小体型認知症」の病名で、「トレリーフ」を自分が処方することはない。

 

もの凄く効果があるなら話は別だが、今のところの自分の実感としては、ここまで高い薬価を払って使うべき推奨薬とは、とても言えない。トレリーフに大枚をはたくぐらいなら、そのお金はグルタチオン点滴に回した方がよほど有用だと思う。

 

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(薬事日報より引用)