鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

問題解決のプロセスについて。

 

ある認知症患者さんを診察し、アルツハイマーの可能性が高いかなと考え、アリセプトを処方しようと考えるまでの自分の思考過程を振り返る。 

 

臨床推論のプロセス

 

臨床推論としては、上記のプロセスを経て解決に辿り着くことが望ましいとされる。

 

このプロセスに自分を当てはめると、恐らく以下のように考えている(ハズ)。

 

  • ①目の前のこの患者さんはどうも、認知症のようだ。
  • ②取り繕いと膝こすりがあるな。病識はなし。長谷川式テストは17/30で遅延再生は1/6か。でも透視立方体模写と時計描画テストは綺麗に描けているな・・・。
  • ③この人の認知症病型は、アルツハイマー型認知症かもしれないな。
  • ④ただ、強い語義失語とふり返り動作が気になるな。CTで脳萎縮の左右差が少し気になる、と・・・。どうもアルツハイマー型認知症以外の要素もあるかもしれない。
  • ⑤アルツハイマー型認知症の可能性が最も高いだろうけど、語義失語には気をつけておこう。アルツハイマー型認知症≒前頭側頭葉変性症(意味性認知症)ぐらいの印象でみていこう。家族本人は通院治療希望あり、と。目立った易怒性はないし、処方は朝だけしか飲めないようだから、アリセプトを試しに1.5mg使ってみるかな・・・。

 

その後、治療経過をみながら③から⑤を行きつ戻りつする。行きつ戻りつするのは、自分の診断に絶対的な自信を持っているわけではないから。

 

高齢者の場合は特にそうだが、経過中に様々な要素が入り込むし、病気以外の要素、つまり「加齢」の影響も加わってくるため、③から⑤を常に続けながら「少し先」の予測を立てるようにしている。

 

 

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