鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

【8年目】糖質制限の経過報告。

 

2011年の9月から糖質制限を始めて、今年の9月で8年目に突入する。

 

これまで丸7年間のうち、9割方はスーパー糖質制限で過ごしてきた。途中で何かよっぽどのことがない限りは、今後も糖質制限を続けていく予定である。

 

糖質制限8年目

 

今回は途中経過報告ということで、現在の食事と先日行った採血結果について紹介がてら書いてみる。

 

2018年9月19日現在、

 

  • 身長:183cm
  • 体重:63kg
  • 体脂肪率:8.9%
  • 骨格筋率:32%

 

このような身長体重である。

 

糖質制限開始前の体重は73kg。スーパー糖質制限1年間で13kg減量した。身長から考えると60~63kgはかなり痩せている訳だが、自分は膝や腰に不安を抱えているので、今の体重ぐらいでキープするのが望ましいと考えている。

 

体脂肪率や骨格筋率は、この数年ほぼ変化はない。

 

現在の食事と摂取サプリメントについて

 

朝にプロテインを摂取することはあるが、朝食は基本的に食べない。

 

試験的に1ヶ月など期間を決めてサンドイッチやおにぎりなどを連続で摂取して体重を測定し採血をしたりすることはあるが、それで数値や体感が何か大きく変わるということはない。体重も変わらない。糖質酔い*1をすることもない。

 

ここ3ヶ月ほどは実験的に、80~100g/dayの意図的高たんぱく食を行っている。肉魚卵の固形物だけでは達成困難なので、朝に30g、昼に20gのプロテイン摂取を行っている。

 

色々なプロテインを試してきたが、最も飲みやすかったのはファイン・ラボ。

 

最近はMy Proteinを使っており、更に腸内環境を整える目的でL-グルタミン5gをプロテインに混ぜて飲んでいる。

 

California Gold Nutrition, L-グルタミン、AjiPure、ピュアパウダー、グルテンフリー、16オンス (454 g) - iHerb.com

 

その他、服用中のサプリメントはVit.B complex、Vit.C、Vit.E。

 

昼食は妻の主食なしの手作り弁当。弁当がない日は、コンビニの野菜サラダ+チキンor豚肉。そして、20gのプロテイン摂取。

 

夕食は、野菜に何某かの肉魚、そして卵。卵は2~3個/day摂取している。晩酌に缶ビール一本、焼酎水割りを2杯ほど。最近のお気に入りはサッポロの「ホワイトベルグ」。

 

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厳密にはビールではないが、ヒューガルデンのような味わいで飲みやすい。350mlで糖質量は10gほどだが、別に気にはしていない。

 

付き合いで外食をする場合や、子供と一緒の時などは適当に糖質は摂っている。これらも別に気にはしていない。 

 

糖質制限8年目の採血結果

 

以下に、先日(2018年9月19日)行った採血結果を、単位を省略して列挙する。

 

  • 白血球:4800
  • 赤血球:495
  • Hb:15.3
  • MCV:91
  • MCHC:33.8
  • 血小板:24.2
  • 血清鉄:81
  • フェリチン222.4
  • AST:17
  • ALT:22
  • γ-GTP:16
  • ALP:105
  • 亜鉛:108
  • 尿素窒素(BUN):23
  • クレアチニン:0.69
  • 総タンパク:7.2
  • アルブミン:4.7
  • 尿酸:6.1
  • 中性脂肪(TG):67
  • HDL-C:71
  • LDL-C:94
  • アミラーゼ:53
  • 空腹時血糖:84
  • HbA1c:4.9
  • FT3:2.89
  • FT4:1.31
  • TSH:1.5

 

貧血はなし(Hb、フェリチンなど)

Hb15.3でMCV91、MCHC33.8、血清鉄81、フェリチン222.4。今回は測定しなかったが、Vit.B12も葉酸も基準値内だった。

 

問題なし。

 

タンパク欠乏もなし(総タンパク、アルブミン、BUNなど)

 

総タンパク7.2、アルブミン4.7、BUN23。ASTやALTなどのトランスアミナーゼも一桁ということはなく、タンパク摂取は十分といえる。

 

甲状腺機能低下はなし(TSH、F-T3、F-T4)

 

スーパー糖質制限者に起きることがあるとされるLow T3症候群だが、自分には今のところ関係ない。丸7年ほぼスーパー制限でやってきて起きないのだから、今後も起きることは恐らくないと思う。

 

Low T3症候群は、筋肉量の少ない痩せた女性で起きやすいと言われているようだ。自分の外来では、スーパー糖質制限でLow T3症候群を起こし具合が悪くなった人をまだ診たことがないのだが、糖質制限開始前に念のために甲状腺機能や骨格筋率を調べておくのは良いと思う。

 

骨格筋量

omronホームページより引用

 

上は骨格筋率判定の目安表。

 

これから何か目的があって糖質制限に取り組もうという女性は、もし骨格筋率が20%前後であれば、プチ制限+高たんぱく食+軽めの筋トレなどから始めた方がよいだろう。

 

糖質、脂質関連(空腹時血糖、HbA1c、TG、HDL-C、LDL-C)

 

空腹時血糖84、HbA1c4.9、TG67、HDL-C71、LDL-C94。

 

問題なし。

 

ALP低値については経過観察中

 

ALP(アルカリフォスファターゼ)以外は、全て基準値内に収まっている。ALP低値については、ここ数年(もっと前から?)続いている傾向である。

 

ALPは亜鉛やマグネシウム関連酵素である。なので、いずれかの不足を疑って実験的に亜鉛やマグネシウムを多めに摂取していた時期もあったが、ALPが上昇することはなかったので、通常量に戻して今も摂取している。現在の摂取量は、亜鉛30mg/dayでマグネシウムはMg:Caが2:1のものを330~660mg/day。

 

別にALPが低いことで具合が悪いことはないので、当分様子見で構わないと思っているが、マンガン(ALP関連酵素の一つ)は試してみようかと思っている。

 

糖質制限は「目的」ではなく「手段」

 

自分にとって糖質制限とは、「高いレベルで健康を維持・管理する」という目的を達成するための手段である。

 

www.ninchi-shou.com

 

糖尿病の人であれば「糖尿病合併症を予防する」という目的で、痩せたい人であれば「健康的に体重を落とす」という目的で、糖質制限を手段として用い成功している人は大勢いる。

 

ところで、当ブログでは「手段の目的化に気をつけよう」ということを以前から何度か書いてきた。

 

www.ninchi-shou.com

 

糖質制限は、様々な問題の改善に繋がりうる「打率」の高い手段である。10割打者とは言わないが、相当なアベレージヒッターであることは間違いない。

 

糖質制限をして過度の体調不良をきたした事例は幸いにして経験していないが、成果を上げられない方はそれなりに見てきた。

 

うまくいかなかった事例の個別検証は大事だが、一般論として、物事が上手くいかない時には往々にして手段の目的化が起きているということは指摘しておきたい。*2

 

手段を目的化させないために必要なのは、自制心とリテラシーである。*3

 

通常何らかの目的を設定したら、その次に目的を達成するための手段を選択する。

 

その手段が正しいのかどうかを不断無く検証し続け、また、途中で失敗に気づいた時にリカバーするためにはリテラシーが必要不可欠である。

 

そして、「うまくいっている」と体感出来ている手法を実践し続けるためには、自制心が必要である。

 

リテラシーがなければ選択を行う時点で間違う可能性があり、また、途中で間違った時にも気づけない。そして自制心が無ければ、せっかくの良い習慣でも続けることは出来ない。

 

より良く生き続けることの難しさを想う。

 


Buzzword Bingo: Literacy flickr photo by planeta shared under a Creative Commons (BY-SA) license

 

 

*1:厳格な糖質制限者が久しぶりに糖質を摂取した際に気分が悪くなることがあり、これを俗に"糖質酔い"と呼ぶ。

*2:例を挙げる。「アルツハイマーの患者さんの生活を支援する」という目的のために、手段として抗認知症薬が有用であれば使う。これは問題ない。しかし、目的が「アルツハイマーの患者さんには、病気の進行抑制のために抗認知症薬を処方する」と、ただの手段に過ぎない抗認知症薬が目的にすり替わっているケースが山のようにある。そして、そのようなケースでは副作用の問題が多発している。

*3:ここでのリテラシーは、ローコンテクスト、ハイコンテクスト、両方の読解力という意味で使っている。