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鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

頭部外傷後の認知面低下にはフェルガードが有効かもしれない。

フェルガードやグルタチオン関連 雑記 雑記-書評・論文評価・考察

 

このような論文を見たので、思いついたことを書き留めておく。

 

f:id:takapisatakapisa:20160602094616j:plain

 

頭部外傷(外傷性脳損傷)は、アルツハイマー病のリスク因子である

 

上記記事の原著へのリンクは以下から。

 

Antibody against early driver of neurodegeneration cis P-tau blocks brain injury and tauopathy : Nature : Nature Publishing Group

 

記事内にあった

 

  • 外傷性脳損傷(TBI)は、アルツハイマー病の確立されたリスク要因である。
  • 外傷性脳損傷から慢性外傷性脳症(CTE)に移行することがある。そしてCTEの特徴はリン酸化タウの蓄積による神経原線維変化である。
  • シス型リン酸化タウに対する抗体が開発されたら、脳損傷後の進行性神経変性症を阻止できるかもしれない。

 

この3点に注目した。

 

そして、論文を読んでいる途中でふと思いついたのが以下の記事のこと。

 

フェルラ酸の認知症予防効果に関する新発見

 

 

info.ninchisho.net

 

  株式会社ファンケルは米ぬかに含まれるフェルラ酸に、認知症発症原因の1つであるリン酸化タウタンパク質の蓄積を低下させる作用があることを発見したと発表した。(上記記事より引用)

 

フェルラ酸が、アルツハイマー発症の原因の一つとされているアミロイドβ蓄積に対して保護作用を持っていることについては、これまで多くの報告が為されている。(Mohmmad Abdul H., Butterfield D. A. Protection against amyloid beta-peptide (1-42)-induced loss of phospholipid asymmetry in synaptosomal membranes by tricyclodecan-9-xanthogenate (D609) and ferulic acid ethyl ester: implications for Alzheimer's disease. Biochim. Biophys. Acta. 1741, 140-8, (2005).)

 

ファンケルの研究では、リン酸化タウ蓄積を低下させる作用があることがわかったらしい。このことから、フェルラ酸は

 

  1. アミロイドβ蓄積
  2. リン酸化タウ蓄積

 

という、アルツハイマー発症の2大要因に対して、その蓄積を低下させる作用があるということが分かる。

 

慢性外傷性脳症の原因がリン酸化タウの蓄積であれば、フェルラ酸の内服によって進行抑制効果が期待できそうだ。

 

また、頭部外傷後で認知面低下を来した患者さんが数名、フェルガードで改善した経験を持つので、進行抑制のみならず症状改善効果も期待出来ると言えよう。

 

慢性外傷性脳症≒頭部外傷後精神障害と考えると・・・

 

余談でもう一つ。

 

コウノメソッドで頻用されるシチコリンについて。

 

www.ninchi-shou.com

 

使用に当たって必要な保険病名の中に、「頭部外傷後精神障害」がある。これは、慢性外傷性脳症とほぼ同義だと思う。

 

頭部外傷で入院しボーッとなっていた(意識清明とはいえない状態)方が、シチコリン静注(メイン点滴内混注では今ひとつ)で活気を取り戻すという経験は、これまで相当数経験してきた。

 

慢性外傷性脳症、つまり頭部外傷後に認知面が低下してしまった方には、フェルガードとシチコリンを試してみる意義は十分にあると思う。