鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

深部脳刺激療法(DBS)で、ジストニアから回復したAさん。

 先日、知人から嬉しい報告を貰った。

人生が変わる体験

 

その知人(以下Aさん)は、「ジストニア」という病気を患っていた。

 

  ジストニア(dystonia)は、中枢神経系の障害による不随意で持続的な筋収縮にかかわる運動障害の総称。姿勢異常や、全身あるいは身体の一部が捻れたり硬直、痙攣といった症状が起きる。(Wikipediaより引用)

 

ジストニアがどのような病気なのかは、以下の動画が参考になると思う。自分の意思とは無関係に(不随意に)、身体の各所が捻れたり強ばったりする病気である。

 

 

Aさんに右上肢の不随意運動が出現したのは、およそ1年前のことだった。

 

様々な治療を試みるも効果はなく病状は進行し*1、一時はジストニアの大発作のため人工呼吸器管理を必要とする状態まで追い込まれたこともあった。

 

仕事を休職せざるを得なくなったAさんが、決断して受けたのが「深部脳刺激療法(Deep Brain Stimulation)」という治療だった。

 

術直後より、ほぼ全ての症状は消失し、リハビリでの詳細評価で後遺症がわかる程度です。

 

劇的な効果に深い驚きと、歓びを感じております。

 

Aさんから貰った手紙を読みながら、全身が粟立つ感覚と共に、深い歓びが自分の内から湧き上がってくるのを感じた。

 

近い将来復帰してくるであろうAさんと、一席を共にする日が楽しみだ。

 

おめでとう、Aさん。

 

www.nouge.net

 

奇跡的回復

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*1:当院で複数回グルタチオン点滴を行い、一時は改善の実感が得られたことはあったものの、病気の根本を修飾できるほどの威力は残念ながらなかった。