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鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

阿藤快さんの訃報。死因は胸部大動脈瘤破裂か。

 

69歳の若さで亡くなられた阿藤快さん。

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

大動脈破裂胸腔内出血?

 

この記事では、死因は大動脈破裂胸腔内出血とのことだが、

 

阿藤快さん 「ラーメン大好き」な食生活が命を縮めた可能性も - ライブドアニュース

 

ちょっと分かりにくい。「胸部大動脈瘤破裂」が原因で亡くなられた、と書いた方が分かりやすいだろう。

 

大動脈瘤 - Wikipedia

 

ラーメンの食べ過ぎは、大動脈瘤の原因になる?

 

大のラーメン好きだったという阿藤さん。

 

 

       ラーメンと糖質制限
        flickr photo shared by Zanpei 

 

では、ラーメンを食べ過ぎたら動脈瘤が出来やすいのだろうか?

 

胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、脳動脈瘤、いずれも発生する原因は不明である。特にラーメンを食べすぎたらどうこうということはない。

 

ただし、既に動脈瘤を持っている人がラーメンを食べ過ぎるようなことがあれば、それは「破裂リスクの上昇」には繋がるかもしれない。

 

ラーメンには通常、塩分が多く含まれている。塩分の過剰摂取は高血圧症を発症する原因となる。血圧が高ければ動脈瘤に加わる圧力も高くなり、その結果破裂のリスクは上昇する。

 

ラーメンをスープまで飲み干すような方はご用心。

 

大出血する前に治療できた可能性は?

 

  今月8日には公開中の出演映画「シネマの天使」の舞台あいさつが福岡市で行われ参加。その直後にも「背中が痛い」と打ち明け、マッサージを受けていた。

 

脳動脈瘤の場合、大出血を起こす前に「警告出血」と言われる少量の出血(画像では分からないこともある)を起こすことが、稀にある。その際の症状は、「これまでにない頭痛」である。

 

阿藤さんが感じていた背中の痛みは、ひょっとすると胸部大動脈瘤が解離(血管が裂けること)した際の痛みだったのかもしれない。この時点で病院を受診し、胸部CTを撮っていたらあるいは・・・

 

動脈瘤が存在するだけでは通常無症状で、また警告出血(わずかな解離含め)で気づかれるケースは稀である。「これまでにない痛み」を感じたら、すぐに病院を受診した方がよい。

 

脂肪を取り過ぎれば、動脈硬化や脂質異常症を起こす?

 

余談だが、このニュース記事の中で

 

  山野医療専門学校副校長で医学博士の中原英臣氏は、「ラーメンは野菜も少なく、ほとんどが糖分で栄養が偏っている。スープには脂肪と塩分が多く含まれており、脂肪を取りすぎれば動脈硬化や脂質異常症につながる。塩分も過摂取は高血圧を引き起こす。動脈硬化で破れやすくなっている血管に高い血圧がかかれば、大動脈瘤(りゅう)破裂などを起こすことがある」と指摘する。 

 

このような記載が目にとまった。概ね同意出来るが「脂肪を取りすぎれば動脈硬化や脂質異常症につながる」という一文は、ちょっと注意が必要。正確には

 

  脂肪のみ摂取した場合、余分な脂肪は便と一緒に排泄されるので問題はない。脂肪のみで太ることは通常ない。

 

  しかし、糖質と一緒に脂肪を摂取した場合、糖質摂取により分泌されるインスリンによって、血中の脂質は脂肪細胞へと移行し、腸管からの脂肪吸収は促進される。また、余剰糖質は中性脂肪に変換され、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられる。

 

このような記載であれば問題ないと思う。

 

脂肪が目の敵のように書かれているが、実際は「糖質(ラーメンの場合には麺)」と脂肪を一緒に摂取することが、身体にとって大きな負担となるのである。

 

また、「脂肪の取りすぎで動脈硬化や脂質異常症」ではなく

 

  糖質とタンパク質を同時に過剰摂取すると、最終糖化産物(AGEs)が発生し、AGEsが動脈内壁を傷つけ蓄積する。その結果、動脈硬化が進んでいく。過剰な糖質はインスリンで中性脂肪に変換され、脂質異常症が進んでいく

 

という理解が正しい。脂肪のみが動脈硬化に関与することは、通常ない。

 

もし、「海藻を含む野菜多め、薄味で魚介ダシ、保存料を用いない自家製チャーシュー、ただし麺抜き」のようなメニューであれば、連日食べても大丈夫だろう。それは最早ラーメンではないのだが・・・

 

芸能人の訃報を耳にするたび、「糖質過剰摂取」がなかったかどうかが気になる今日この頃。

 

改めて、阿藤快さんのご冥福をお祈りいたします。

 

 

www.ninchi-shou.com