鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

ソラネズマブ、第三相試験で有効性を示せず製品化を断念。ということは、エーザイ・バイオジェンが開発中のアデュカヌマブは・・・?

 

アルツハイマー病発症の理由の一つとして考えられているのが、脳へのアミロイドβの蓄積(アミロイド仮説)。

 

なので、蓄積したアミロイドβを減らしたり、溜まらないようにすることが出来れば、アルツハイマー病の改善に繋がるだろうという発想で様々な試みがなされてきた。しかし今のところ、軒並み全滅である。そして今回、ソラネズマブの製品化断念のニュース。

 

米イーライ・リリー、アルツハイマー新薬製品化断念 :日本経済新聞

 

  米製薬大手のイーライ・リリーは23日、初期のアルツハイマー型認知症向け新薬「ソラネズマブ」の臨床試験で有効な結果が得られなかったと発表した。第3段階の臨床試験で認知能力の低下に歯止めをかけることを証明できず、規制当局への申請を見送ると決め、製品化を断念した。(上記リンクより引用)

 

残念。

 

ソラネズマブと同系統と思われる、エーザイとバイオジェンが共同開発中の薬剤アデュカヌマブの行く末は、どうなるだろうか?

 

エーザイ---急落、競合薬の試験結果を受けて | 個別株 - 株探ニュース

 

今後期待したいのは、アルツハイマー発症のもう一つの仮説である「タウ仮説」に基づいて開発されたタウブロッカーであろう。

 

タウブロッカー(LMTX)はどうなっている?

 

www.ninchi-shou.com

 

LMTXは2016年11月現在、第三相試験をしていると思われるが(もう終わった?)、結果が待ち遠しい。対症療法一辺倒である現在の認知症診療に、風穴を開けてくれる薬であって欲しいと願う。

 

(2016/12/01追記)

LMTXも上手くいっていない様子・・・

アルツハイマー新薬、フェーズ3の高い壁…過去16年、成功確率わずか3.1%

 

  16年7月には、シンガポールのTauRXファーマシューティカルズが、タウタンパク質をターゲットに開発中の「LMTX」について、軽度または中等度の患者を対象としたP3試験で主要評価項目を達成することができなかったと発表。タウタンパク質を標的としたアルツハイマー病治療薬がP3試験にこぎ着けたのは「LMTX」が初めてだっただけに、試験失敗の知らせは世界中に大きな衝撃を与えました。(上記リンクより抜粋)

 

(2017年12月12日追記)

 

LMTXの2度目の第三相試験の結果。これは有望と捉えていいのか?

2度目のLMTX(R)P3試験の結果がアルツハイマー病ジャーナルで公開される | 共同通信PRワイヤー

 

2回目の試験結果は、要求される統計基準値のp < 0.025で、認知 (ADAS-cog)と機能(ADCS-ADL)の転帰の複数の臨床的有効性評価項目において同様にLMTX(R)の単剤療法に有利な大きな違いを示しました

LMTX(R)単剤療法と上乗せ治療の両グループにおいて、軽度アルツハイマー病の患者の全脳萎縮(MRIスキャンで測定)は病初では予想通りに進行しました。しかし、9か月間の治療の後、単剤療法の患者の全脳萎縮の年率は大きく減少し、アルツハイマー病にかかっていない正常な高齢者の対照群に特有の状態となりました。上乗せ治療グループの同等の比率は、軽度のアルツハイマー病患者並みに進行しました。(上記リンクより抜粋)