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鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

糖質制限に対する、ある「自然派医師」の見解から思うこと。

栄養学 栄養学-糖質制限

 

ameblo.jp

 

腸内細菌叢の重要性について異論はないのだが、このDrは「糖質制限≒腸内細菌叢破壊行為」と考えているようだ。

 

「糖質制限≒炭水化物制限」と考えるからなのだろうが、腸内細菌叢にとって必要な食物繊維は、何も多糖類からしか摂れないわけではない。

 

  推奨している意見も含め網羅的に情報を検討しましたが、糖質制限食は、ごく一部の非常に限られた人以外、とくに日本人には全くお勧めできない食事法になります。(上記ブログより引用)

 

「日本人」と大きく括るからには自説に余程の自信があるのだろう。

 

このような括り方は、ひとりひとりの個体差を気にする自分には到底出来ない。糖質制限によって様々な症状が改善している自分の患者さん達は、彼の言う「ごく一部の非常に限られた人」達なのだろうか?

 

そうだとすると、彼の診ている栃木人と自分が診ている鹿児島人では、糖質処理能力や腸内細菌叢分布に違いがあるのかもしれない。いずれも「日本人」だけど。

 

  とりあえず、見た目だけ良いということが現代社会のあらゆるところに見られます。
例えば、化学肥料と農薬を使えば、農作物は一見とても良く育ちますが、土の中の微生物は大きくバランスを崩していきます。
本来は野菜に養分を供給しているのは土の中の微生物なのですが、土の中の微生物がダメージを受けても、毎年(初めから分解されている)化学肥料をやり続ける限りは、とりあえず見た目だけは立派に育った野菜を収穫することができます(現代農法)。
しかし、このような農法で作られた野菜の栄養価や病気に対する抵抗性、環境に対する影響はどうでしょうか?

これとまったく同じことを人で行っているのが糖質制限食になります。(上記ブログより引用)

 

この論に従うと、糖質制限者とは「見た目の良さだけを重視した人々」となる*1のだが、ダイエット目的であったり、糖尿病をはじめとした生活習慣病の治療目的であったり、はたまたガンの治療目的であったりと、糖質制限を用いる目的は様々である。

 

また、「農作物≒人体」、「農薬や化学肥料≒糖質制限」というアナロジーにも首をかしげざるを得ない。

 

「糖質制限はロボトミーのような行為だ」と言った医者を知っているが、この手の人達は栄養学や医学以前の問題として、論理学を基礎から学んで欲しい。

 

正しいアナロジーが出来ない人とは、議論が出来ない。

 

ただ、このDrも議論をするつもりはないらしく、それは彼のFacebookにも以下の様に書かれていた。

 

  これからも様々な情報を発信していく予定ですが、ここは、基本的に議論する場所ではなく、私が自分の意見を淡々と述べていくことを目的にしています。それに共感された方がシェアなり拡散していただければと思います。

 

これはこれでいいと思う。淡々と自説を述べ、反論は気にしない。一々構っていたらキリがないという態度は、インターネットと上手く付き合っていくためには必要である。

 

ただ、議論をしないのは「FBをする時間が究極的に短いから、物理的に無理」という理由からのようだが、彼に賛同を示す投稿には丁寧に返答し、論理的矛盾を指摘した投稿には「議論はしません」と返していた。

 

その間、かなりの時間をFacebookに費やしていたようだった。たまたまなのだろうけど。

 

インターネットとは、お互いの承認欲求を満たすには良い場である*2。糖質制限を推進する人々にも否定する人々にも、一定の賛同者がいる。

 

お互いの承認欲求を満たしあう作業はクローズな方が楽しいだろうから、FBのようなSNSは正にそのような作業に適していると言える。

 

また、確証バイアスは同傾向の人々の中でこそ高められていくため、あるFBグループは他のグループに対して排他的になりやすいという特徴を持つ。特に、栄養や健康に関するグループにおいて、そのような傾向がみられるように感じる。

 

 

www.ninchi-shou.com

 

 

栄養や健康はつまるところ、「生き方」である。みな好きに楽しめばよいし、宗旨替えも自由にしたらいいと思う。自分の観測範囲では、かつて強烈なマクロビ信仰者であった人は、転向後は強烈な糖質制限信仰者になることが多いように思う。司馬遼太郎が言う、「何かに酔っていないと生きていけない人」なのだろう。ただしそれも、別に非難されることでもない。

 

自分は医者なので、それが適していると思われる患者さんには糖質制限を勧め、それで成果を挙げている。自分自身も糖質制限を実践し、成果を挙げている。ただそれだけのことである。

 

最後に気になったことが一つ。

 

それは、ブログのプロフィールにある彼の顔写真の「顔色」が健康そうには見えなかったことである。大丈夫かな?*3

 

承認欲求の巣窟としてのFB

(いらすとかで作成) 

*1:ダイエット中心で糖質制限が語られることに業を煮やしたのであれば、気持ちは分からなくもないが。

*2:実生活で満たされない承認欲求をぶちまける場でもある。

*3:「人相」が悪い自分が言うのも何だけど。