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鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

59歳男性、脳血管性認知症。レミニールで著明に改善。

レミニールでV字回復

 

 
認知症からのV字回復



脳梗塞後に、急激に認知面低下を来しているとのことで紹介を頂いた方。

 

 

脳血管性認知症 構成障害はない

 

両側視床梗塞

 

レミニールで長谷川式テストは11点上昇

 

59歳男性 脳血管性認知症


(記録より引用開始)

初診時



(現病歴)

左視床梗塞で近医脳神経外科で入院治療。以前の無症候性右視床梗塞と併せて両側視床梗塞となったことで、著明に認知面が低下したとのこと。

認知症専門外来を受診したいとの家族希望で紹介となった。

(診察所見)

HDS-R:14
遅延再生:0
立方体模写:OK
時計描画:OK
クリクトン尺度:8
保続:なし
取り繕い:なし
病識:なし
迷子:なし
レビースコア:施行せず
rigid:なし
幻視:なし
ピックスコア:施行せず
頭部CT左右差:なし
介護保険:なし
胃切除:なし
歩行障害:なし
排尿障害:なし
易怒性:なし


(診断)
ATD:
DLB:
FTLD:
MCI:
その他:VaD

発症後約2週間経過し、急性期治療はほぼ終えている。茫洋とした表情。両側視床梗塞による脳血管性認知症と考える。サアミオンとレミニールで賦活がなるか。

麻痺や感覚障害はない。遠方ではあるが奥さんの通院希望が強く、しばらく当院でもフォロー。

4週間後



HDS-R25
遅延再生満点

著効している。表情にもハッキリと変化がみえる。

早くも仕事復帰予定と。紹介元にバトンタッチ。良かったですね。

レミニール4mg+ナウゼリン10mg+サアミオン5mg/dayで当面維持を依頼。ナウゼリンは適宜終了で。

(引用終了)

両側視床傍正中部梗塞症候群とは?



下記をご参考に。


視床病変 (thalamic lesion) | 神経疾患治療マニュアル



この方は、MRIで特に動脈硬化性変化を認めることもなく、また硬膜動静脈瘻その他の両側視床梗塞を来すような病変は除外されていた。

脳底動脈に狭窄があったりなどで、突然両側の視床に梗塞を来した際には、かなり高度の意識障害を呈することがある。

この方は、時間差があっての両側病変であったが、それでも計算や数字の逆唱、遅延再生、語の流暢性などが高度に障害されていた。

早期に抗血小板療法が開始されていたこと、また麻痺などが後遺していないことは幸いであったが、ここまで回復したのはレミニールの影響が大きいだろう。

「効いたら維持」がコウノメソッドの基本。レミニールは4mg/dayで継続となった。

初診時には「まだ家のローンもあるのに・・・」と落胆することしきりであった奥さんが、1ヶ月後には「そろそろ仕事復帰してもらいます!」と意気込んでいたことが印象的であった。

男とは切なく、儚い生き物である(改善したから良かったけど・・)。