鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

「採血検査でアルツハイマー型認知症を診断する」というニュース。

キーワードはデスモステロール

 
採血検査でアルツハイマー型認知症を調べる


このようなニュースを見かけた。
 
 
共同研究では日本人のアルツハイマー型認知症患者200人と、認知機能が正常な高齢者200人の血中デスモステロール値を質量分析法で測定。認知症患者はその値が低く、認知機能の衰えに伴い値が低下することなどが分かった。


デスモステロールとは、正常なマクロファージ(白血球の一種)がコレステロールのバランスを調節するのを助ける分子で、動脈硬化が進行している部分においては、このデスモステロールの正常な機能が隔離されてしまっているらしい。

アルツハイマー型認知症は最近「第3の糖尿病」と言われるようになったが、その発症には糖代謝が関与している可能性が指摘されている。

血管内壁を障害し、動脈硬化を進展させるのはグルコーススパイク(血糖値の急激な乱高下)である。

そして、傷ついた血管内壁修復の為にLDLコレステロールが動員され、マクロファージも集まりプラークが形成される。

この過程で、デスモステロールが消費されて低値となっている可能性はないだろうか?

「アルツハイマー型認知症では、デスモステロールが低値となる」という相関を示唆するこのニュースは、「デスモステロールが低値になるとアルツハイマー型認知症のリスクが高まる」と考えることも出来そう。

そして「過剰なグルコーススパイクによって、デスモステロールが低値となる」という相関が導けるとしたら?

やるべきことは、「糖質制限でグルコーススパイクを抑制する」となるだろう。

糖尿病との絡みで、連想が拡がるニュースでした<(_ _)>

 

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