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止むを得ない流れだとは思います。
ちなみに、今のところの関連学会ガイドラインでは、
- 医師が認知症と診断し、患者が自動車運転をしていることがわかった場合には、自動車の運転を中止し、免許証を返納するように患者および家族(または介護者)に説明して、その旨を診療録に記載する。
- 認知症の診断の届出をする際には、患者本人および家族(または介護者)の同意を得るようにする。
- 家族または介護者から認知症がある患者の運転をやめさせる方法について相談を受けた場合には、本人の同意を得ることが困難な場合も含め、状況を総合的に勘案し相談を受けた医師が届出について判断する。
- 届出をした医師はその写しを本人もしくは家族(または介護者)に渡すようにする。
このように記載されている。「状況を総合的に勘案して〜」という下りに苦慮のあとが感じられる。コチラから引用。
地方においては、高齢者の免許取り消しは死活問題となり得る
これは鹿児島に限らないと思うが、地方で独居もしくは老夫婦暮らしの場合、認知症に限らず何らかの理由で運転が出来なくなれば、あっという間に生活困難になるケースは多い。
つい先日、高速道路を逆走した70代の男性が、警察に促されて当院を受診した。
本人の奥さんは「行きたくない」という理由で?同伴することなく、普段あまり行き来の無い息子さんのお嫁さんが付き添って来られた。なので、本人の生活状況についてはまるでわからず。
長谷川式テストは22点/30点で遅延再生が6点/6点。ギリギリ基準を満たすようにも思えるが、透視立方体模写や時計描画テストが怪しく、視空間認知に影響が出始めている可能性が考えられた。
また、猛烈な取り繕い言動も認めたので、「今後の運転には問題あり」と判断せざるを得なかった。
しかし、この方の奥さんは運転は出来ず、お子さんも離れたところにいるため、免許取り消しがどのような結果になるかは想像に難くない。
そして、
「後生ですから、まだ免許は取り消さんで下さい・・・」
このように懇願されると、その後の生活を想像してこちらも言葉に詰まってしまう。
しかし、届け出を出さない訳にはいかない、というジレンマ。
こういった場合に、サービスとして「買い物代行」などを提供している店舗はあるようだ(生協コープ鹿児島)。また、訪問サービスでも買い物代行は出来るようだ。
免許取り消しの届け出を出すだけではなく、このような代替手段まで同時に提供しなくてはならない(警察はそこまではしてくれない)、ということを考えると、つくづく我々の責任は重い。普段からのソーシャルワーカーを含めた他職種連携が必須な所以である。
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和田 秀樹
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