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鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

認知症と糖質制限③(ドパミン報酬系)

糖質とドパミンの関係

 

マラドーナ ドパミン
報酬系(ほうしゅうけい、英: reward system)とは、ヒト・動物の脳において、欲求が満たされたとき、あるいは満たされることが分かったときに活性化し、その個体に快の感覚を与える神経系のことである。
ここでいう欲求には、喉の渇き・食欲・体温調整欲求といった生物学的で短期的なものから、他者に誉められること・愛されること・子供の養育など、より高次で社会的・長期的なものまで含まれる。認知心理学者は、ヒトにおいてはむしろ後者の欲求の方が、行動の決定に重要な役割を果たしていると主張している。
哺乳類の場合、報酬系は中脳の腹側被蓋野から大脳皮質に投射するドーパミン神経系(別名A10神経系)であると言われている。これは、覚醒剤やコカインなど依存性を有する薬剤の大部分は、ドーパミン賦活作用を持っていることからも支持される。また、動物において中脳に電極を挿入し、その個体がボタンを押すと電流が流れるような装置を作ると、とめどなく押し続けるという報告もある。
報酬系の働きは、学習や環境への適応において重要な役割を果たしている。例えば我々は、「この仕事を完了したらボーナスがもらえる」などと、長期的な報酬を予測することで、疲労や空腹といった短期的欲求を抑えて仕事を優先できる。しかし当てにしていたボーナスがカットされると、報酬系が抑制され、不快さを感じるのである。また、報酬系神経系の働きが、大脳皮質の可塑性に影響するという報告もあり、学習においても同様に報酬系が重要である。「誉めて育てる」という言葉はこのことを言い得ている。
報酬系が活性化するのは、必ずしも欲求が満たされたときだけではなく、報酬を得ることを期待して行動をしている時にも活性化する。例えば、喉が渇いているヒトが水を飲んだときには、脳内で報酬系が活性化し快の感覚を感じる。しかし、ヒトであれば歩いている途中に自動販売機を見つけた場合、その時点で水分が飲めることが当然推測できるので、見つけた時点で報酬系が活性化している。これに似たような実験をシュルツら(1993)がサルにおいて行っている。彼らは、ある視覚刺激を呈示して数秒後にエサが出てくるという装置を作り、サルをそれに馴れさせた。同時に中脳のドーパミン系細胞に電極を挿入し活動を記録したところ、実験初期にはエサが出てきた時点で細胞が活性化していたが、実験に馴れて来ると、視覚刺激が呈示された時点で神経活動が活性化していた。
報酬系との直接的な関係は不明であるが、クロニンジャーはヒトの気質に4種類あるという仮説を提案しており、その一つとして「報酬依存」をあげている(他に「新奇性追求」、「損害回避」、「固執」)。
また、うつ病患者にみられる興味または喜びの喪失は、報酬系が報酬として機能しなくなる状態であることが指摘されている[1]。つまり、うつ病患者にみられる興味または喜びの喪失は、報酬系が十分に機能しなくなった状態であることが指摘されている。(Wikipediaより引用)
 
 
昨今は、様々なことがドパミン報酬系で語られるようになってきた。

 

負の面では、
 
  • ニコチン依存
  • アルコール依存
  • ギャンブル依存
 
などなど。糖質依存は、ドパミン報酬系の論理で説明可能である。
 
 
「糖質を摂取」→「美味い!」→「ドパミン放出」→「糖質を摂ると幸せだ」→糖質報酬回路形成
 
 
一度このような回路が形成され、それが糖質摂取のたびに繰り返されると、そのうちに慣れてしまってドパミン放出が鈍くなってくる。
 
 
「糖質摂取」→「美味いけど・・」→「ドパミンいつもより少なめに放出」→「糖質が足りないからだ!」→「もっと糖質を!」→糖質中毒
 
 
このような流れで「中毒性」が培われてく。これは、ニコチンやアルコールにおける中毒形成過程と同じようだ。
 
また、インスリン抵抗性を持つ人の場合、糖質摂取の際に起きるインスリンの応答性が悪いために、正常者に比べて「報酬獲得」物質であるドーパミンの分泌量が低い、ということもある。(参考)
 
更に、インスリンと認知症の関係については、
 
加齢とともに罹病率が増加する糖尿病と認知症の合併が注目されている.認知症の二大原因疾患と考えられる血管性認知症 vascular dementia(VD)とアルツハイマー病 Alzheimer disease(AD)のうち,慢性の血管病変を合併する糖尿病においては VD の発症が高頻度であることは従来から良く知られている.一方最近になって集積されてきた疫学調査や臨床研究により,糖尿病において AD の合併が高頻度であることが注目されている.その成因あるいは病態としてメタボリック症候群や軽症糖尿病に認められるインスリン抵抗性と高インスリン血症が中枢神経系の低インスリン状態を惹起し,その結果,脳内へのβアミロイドの蓄積を助長してAD発症に関わる機序が提唱されている.加えて,ADの進行抑制のための新たな治療として,インスリン抵抗性改善薬や脳内へのインスリン移行が顕著な点鼻インスリン療法が効果をあげているとの報告も認められる.(日老医誌 2010;47:385―389より一部抜粋)
 
このようなことが指摘されるようになってきた。点鼻インスリン療法などは、先日NHKスペシャルでも取り上げられていた。
 
 
インスリン点鼻療法 認知症
 
 

食は文化であり、報酬系にはメリットもある。必要なのは節度である。

 
勉強やスポーツに打ち込むことを、「勉強中毒、スポーツ中毒」として否定する人はいないだろう。そして、これらもまた報酬系で説明可能である以上、人のより良いモチベーションの為に報酬系は必要なもの、と考えることが出来る。
 
また、食は文化であり、文化の中で人は生活している。
 
糖質制限を徹底する余り、日本人の食文化である「米食」が完全に否定されるようなことがあっては、それは寂しいことだろう。
 
結局、大切なのは節度であり、節度を持ってたまには糖質を嗜好品として楽しむ。こういう選択肢があっていいのだと思うのである。糖質が持つ「健康における負の側面」は忘れないように気をつけながら。
 
糖質制限におけるルール(重要)
 
  1. 血液検査で血清クレアチニンが高値で腎障害がある場合
  2. 活動性の膵炎がある場合
  3. 肝硬変の場合
  4. 長鎖脂肪酸代謝異常症がある場合
 
これらの場合には、糖質制限は適応とならない。また、経口血糖下行薬の内服やインスリン注射を行っている人は、低血糖のリスクがあるので必ず医師に相談すること。
 
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