鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

コウノメソッド実践医連携。グルタチオンで歩行改善。

 コウノメソッド実践医を通じてご紹介頂いた患者さんを紹介する。


LPC 75歳女性 グルタチオン効果あり

 

レビー・ピック複合 75歳女性 グルタチオン効果あり
 

75歳女性 レビー・ピック複合(LPC)

 

(記録より引用開始)

 

初診時


小規模多機能施設入所中の方。

 
認知症が進行していく患者さんのため、コウノメソッド実践医を求めていたケアマネさん。実践医に辿り着き、そこで処方が大幅変更となった。しかし距離的に通院困難とのことで当方に紹介があった。
処方変更で、2年前ぐらいの状態まで良くなっているとケアマネさん談。先方の診断はLPC(レビー・ピック複合)。
 
(診察所見)
 
HDS-R:4
遅延再生:0
立方体模写:不可
時計描画:不可
クリクトン尺度:37
保続:なし
取り繕い:なし
病識:なし
迷子:なし
レビースコア:6.5
rigid:first rigid
ピックスコア:8
頭部CT左右差:あり
介護保険:要介護4
胃切除:なし
 
(診断)
ATD:
DLB:
FTLD:
MCI:
その他:LPC
 
表情は仮面様で歩行は著明な小刻み歩行。外貌は典型的なレビー小体型認知症だが、頭部CTにおける左右差とピックスコア8点を加味して診断はLPC(レビーピック複合)。
 
先方でグルタチオン1000mgを1回行ったが変化はなかったと。
今回はニコリン1000mgで。3日後にグルタチオン1400mgを使ってみる。
処方は抑肝散を2P2Xにへらしてあとは継続。
 
(処方)
プレタールOD(50)2T2X 
ウインタミン4mg-6mg
マグラックス2.4g3x
レミニールOD(4)1T1XM 
オメプラゾール(10)2T1XM 
マドパー(100)1T1XM
抑肝散2P2X 
フェルガード100Mx2
 

3日後

 
グルタチオン1400mg
ニコリン250mg
ソルコセリル4ml
 
投与前後で歩行スピードと安定性に大きな変化あり。施設スタッフも驚いている。
 
(引用終了)
 
 
グルタチオン投与前後の動画がこちら。
 
 
 
前傾姿勢と歩行の安定性、スピード、いずれも改善している。素晴らしい。
 
 

実践医間の情報共有のしやすさを実感

 
 
頂いた紹介状には、簡潔明瞭に
 
  • rigidの有無
  • ピックスコアとレビースコアの点数
  • その結果、LPCの診断
  • 陽性症状に少量ウインタミンと抑肝散
  • 中核症状には少量レミニール
  • 底上げにグルタチオン
 
の記載が成されていた。
 
互いのベースにコウノメソッドがあると、情報共有が非常にスムーズになることが分かった。
 
今後このような連携が増えていくことに期待。
 
今回はこれで終了。