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鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

アミロイドPETによる、アルツハイマー発症前診断について

出生前診断問題との既視感

 
「知りたい!」という人間の欲求に勝てるものなどない、ということなのかもしれない。
 
 

アミロイドPET 毎日新聞

 

アルツハイマー型認知症は、脳に長年アミロイドという物質が沈着してくることで発症する、と考えられており、その前駆期間は約20年と言われている。
 
普通の壮年者が検査を受けた時点でアミロイドが沈着していない、もしくは沈着が少なければ、将来アルツハイマーを発症するリスクが低い、逆にアミロイドが沈着していたらアルツハイマー発症の可能性が高い、ということ。
 
ちなみに、アルツハイマーの発症にはタウ蛋白という物質も関わっているが、ここでは割愛。
 
重要なことは、この検査が将来を確実に見通す検査ではないということ。
 
心配なのは、「あなたは将来アルツハイマーになるかもしれない」と言われた人達が、皆が皆それに備えた行動を取れるものなのか?ということ。
 
将来に備えることが出来る人にとっては有用な検査と言える。また、検査そのものでデータが集まることによって、有効な治療法に繋がる可能性はある。
 
しかし不安の余り自暴自棄になる人も出てくると思う。この検査と人間ドックなどは、大分意味合いが違う気がする。
 
現時点でこの検査方法が確実なものではなく、またアルツハイマーという病気そのものに確実な治療法がない現状で、将来アルツハイマーにかかるかもしれない可能性を告げることは、倫理的に如何なものなのか?という疑問は沸く。
 
それでも、この流れは止まらないだろう。自分も何らかの対策は考えておく必要がありそうだ。
 
「検査の結果、将来アルツハイマーになる危険性が〇%あります。現時点では確実な予防方法や治療方法はありませんが、今後に関しては、検査を行った当院が責任を持ってフォローしていきます。」
 
検査をする人達がこれぐらい言ってくれたらいいなぁ、と思う。