鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

認知症の中核症状と周辺症状について。

もう何度目かのスライドだが、便利なので今回も使用。

 

認知症の定義

 

認知症の定義

 

定義は定義として、では実際の認知症の症状にはどういったものがあるのだろうか。 

 

認知症の中核症状と周辺症状

 

認知症の中核症状と周辺症状

 

 

 

認知症は、まず中核症状と言われる

 

  • 記憶障害
  • 遂行機能障害
  • 失語、失認、失行

 

このような症状から始まり、その結果

 

  • 不安や焦燥感
  • 暴力や暴言
  • 徘徊

 

これらの周辺症状が出現すると考えられている。

 

自分の外来では「認知症=記憶力低下」と考える人よりも、「認知症=徘徊したり怒りっぽくなったり」と考える人が多い印象である。これは、「中核症状と周辺症状、どちらの症状がより大変か」という問いに対する漠然とした答えのような気がする。

どういうことかというと、患者さん(正常、そして軽度認知機能障害の方を含む)は「記憶力が悪くなったら大変だ」と考えるが、家族は「徘徊されたり凶暴になったら大変だ」と考える傾向にあるのでは?、ということである。

 

認知症の治療とは

 

色々な考え方はあるだろうが、自分の場合には上記の様な理由で、まずは周辺症状の改善を目指している。これが上手くいったら、中核症状に対する処方薬が不要なケースもかなりある。薬は出来れば少ないに越したことはないし、何より「穏やかに過ごしてくれたらそれで良い」と考えるご家族は多いのである。次回は、そのような症例を紹介したい。

 

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