今回紹介するKKさんは、60代前半の女性。 若い頃からの片頭痛持ちで、鎮痛剤と縁が切れないとご相談があった。片頭痛は加齢とともに和らいでいくことが殆どで、60歳を過ぎてもまだ片頭痛に悩まされているという方は、片頭痛以外の頭痛の可能性について検索する必要…
先日、ある患者さんの娘さんから当院に電話があった。 「先ほど父が転倒して頭を怪我したとのことで、〇〇病院に救急搬送されたみたいです。私はいま出先にいて詳しいことは分からないのですが、〇〇病院の先生から電話で『急性硬膜下血腫を起こしているから、緊急…
パーキンソン病の経過中に問題となる、ジスキネジアやon-off現象。 今回紹介するSRさんは、16年という長期経過の末にジスキネジアやon-offが現れた。同時に幻視でADLも低下していた。レボドパ合剤の減量と組み合わせ、コムタン減量、モサプリド追加、セレネース少量…
他院でパーキンソン病と診断された、ある40代男性を紹介する。 奥さんが「これは何かおかしい」と早めに気づいて連れてきてくれたから良かった。
外来で頭痛の患者さんを診ていると、薬物乱用頭痛(Medication Overuse Headache:MOH)に結構な頻度で遭遇する。 MOHとは、頭痛患者*1が鎮痛剤を不適切に乱用することにより、頭痛が増強、または次の頭痛を呼び込んでしまう病態のことである。 国際頭痛分類による最…
一人の患者さんに対して、複数の病院が複数の処方を行っている状況を写真で表現するならば、以下の様になると思う。 Recursive Pizza flickr photo by aaronparecki shared under a Creative Commons (BY) license このことがポリファーマシー*1の大きな要因と…
認知症外来をしていると、”幻”の話を聞くことが多い。 我が国には「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という俳句があるが、「妖精を見た」とか「神が顕現した」といった古今東西の逸話のうち幾分かは、当時の人々が見た幻視なのだろう。
70代女性 アルツハイマー型認知症 ある日の外来。 アルツハイマー型認知症で通院中の70代女性が、左膝を最近痛がるようになったとご家族から聞いた。 膝窩部に腫瘤を触れたのでCTを施行したところ、以下の様な画像が得られた。
東洋医学では、好転反応と呼ばれる身体反応があるらしい。 好転反応(こうてんはんのう)とは、もともとは東洋医学(按摩や鍼)で使われる用語で、治療の過程で一時的に起こる身体反応のこと。反応の程度はさまざまである。(Wikipediaより引用)
話が通じない成年患者(認知症を除く)に出会った時、4つの可能性を考えるようにしている。 自分の説明力が不足しているから あまりにも今の症状が辛いから 鉄タンパク欠乏をきたしすぎたから 元々のキャラクターゆえに 今回紹介するのは、「このままだと危うい…
今回紹介するのは、抗うつ薬と抗認知症薬を卒業出来た方である。 既に役目を終えている薬を減量卒業するのは、そんなに難しいことではない。薬がまだ役目を果たしている場合には、減らしたり止めたりすると具合が悪くなるので、また戻せばよいだけのことである。 今…
タイトルそのままです<(_ _)> 慢性硬膜下血腫とは、頭部打撲後しばらくして、徐々に硬膜(脳を包む硬い膜)の下に古い血液成分が貯留して脳を圧迫する病気のことである。
頭痛といえば片頭痛。 ただし、外来で最も遭遇するのは緊張型頭痛である。ちなみに、片頭痛と緊張型頭痛の合併はしばしばある。 典型的な片頭痛は、思春期から20代半ばぐらいまでに始まり、多くは50代、60代にかけて徐々に終熄していく。 今回は、片頭痛治療に…
久しぶりに経験したので御紹介。
高齢者の「首から上の」慢性的なお悩みに、釣藤散が著効することをしばしば経験する。 慢性的なお悩みとは、頭痛であったり頭重感であったり、めまいや耳鳴りであったりと様々である。また、使っている間に血圧が下がってくることもしばしば経験するので、内服中の降…
うちの子どもが熱発したので、簡易インフルエンザ診断キットで調べてみたところ陽性であった。 その翌日に妻が発症し、更にその翌日に自分が発症するという、典型的な家族内感染となったのだが、幸いにも自分が罹患したタイミングは週末であったこともあり、仕事へ…
先日、インフルエンザに罹った。 はっきりとインフルエンザと診断されて学校や仕事を休んだ記憶はないので、ひょっとしたら人生初だったかもしれない。 簡単に、今回の経緯を時系列でまとめる。以下の写真は、診断キットで自分のウイルス排出具合を確認したものであ…
とある離島から来られた方をご紹介。 「頭に薄皮1枚の膜をかぶったような・・・」と仰る高齢者をちらほら見かける。 病名、診断名を問われると何とも答えられないが、経験的には釣藤散が良く効いてくれることが多い。
遠回りしてしまったが、抗うつ薬中止で完璧な満足を得ることが出来た男性をご紹介。
先日、一般診療科(普段うつ病を専門的には診ない診療科)の医者を対象とした、製薬メーカー主催のうつ病の勉強会に参加した。 内容だが、教科書的なことを中心に、SSRIの使い方のような話に差し掛かったところで、残念ながら所用があり中座したのだが、聞けた範囲で…
久しぶりに真性多血症の方に出会ったので、備忘録を兼ねて紹介する。
当院は脳神経外科なので、頭のCTを撮る機会が多い。 CTで小脳が萎縮している人が結構多いことが、最近は気になっている。
「薬はいらないだろうなぁ・・・」 患者さんを診察してそう感じれば、自分はご家族にそのままを話す。納得するご家族もいれば、抗認知症薬処方を強く希望するご家族もいる。 今回は薬を欲するご家族の心理と、その結果起きているかもしれない「薬害」の可能性について…
久しぶりに経験したのでご報告。 こういった例で抗認知症薬が処方されるケースは、実は結構あるのかもしれない。
アルツハイマー型認知症の診断で経過をみている80代の女性がいる。 1年半の経過で長谷川式テストは20点→22.5点と2.5点上昇。抗認知症薬はアリセプト3mgで非常に落ち着いている方。 ある日の外来で、「1週間ぐらい前に、頭を軽くぶつけたのよね〜」と話していた…
今回は、数年前に経験したケースをご紹介。
頭痛と熱発を呈した高齢者で、たま〜にみかける疾患をご紹介。 環軸椎偽痛風のこと 痛風という病気がある。尿酸が関節で結晶化し、強い痛みを伴う炎症が起きる病気である。足の親指の付け根が赤く腫れるのが典型例。壮年男性における発症が9割方を占めると思…
前回記事はこちら。 www.ninchi-shou.com 今回の方も前回同様、自分は「年齢相応かな?」と感じたのだが、最終的には医療介入を行うことになった。その最たる理由は、息子さんの 衰えていく母親を見続けるのが忍びない・・・ という想いを感じたからである。
今後このような紹介が増えてくるような気がする。
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