鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

認知症の症例

一回だけの診察で、情報をどこまで伝えるべきか?

診察で得られた情報を、患者さんや家族にどこまで説明するべきなのだろうか。このことで、しょっちゅう悩む自分がいる。 特に、その情報が確定的なものではなく、自分の推測が多く含まれていて、尚且つその推測に対する明確な対処法(決定的な治療法)がない場合には、…

診断名の変遷(レビー小体型認知症→進行性核上性麻痺)

最初に変性疾患の診断を下した医者が、その患者さんを最後までフォローすることは、恐らくだが殆どないと思われる。 施設入所などをきっかけに主治医が変更になると、病名と薬は概ね引き継がれる。 しかし、最初に診断した医者だけが持ち得た診断に当たっての…

どちらも長谷川式テスト22点だが、対象的な87歳。

支える人が周囲にいるのかどうか。いるならば、その人達に何をお願いすべきか。いなければ、どのように支援体制を構築していけばよいのか。薬は必要なのか。必要でないならば、どのようにして病院とのつながりを保てばよいのか。薬が必要なら、その量や内服回数はどの…

器質的な脳萎縮が先行→軽度認知機能障害パターンを経過観察中。

以前ブログで紹介した方の続報。 www.ninchi-shou.com 同記事最後の部分を引用する。

常同行動とアイデンティティについて。

息子さん夫婦と暮らす、80代のアルツハイマー型認知症の女性。 診察室の中では常に笑顔で、愛想よく話す。その様子を、同伴のご家族は醒めた目で眺めている。

特発性正常圧水頭症(iNPH)診療の前提として必要なこと。

脳神経外科速報という雑誌を、もう10年以上定期購読している。 脳神経外科速報 2017年8月号(第27巻8号)特集:ひたすら優れた臨床医を目指して ─自分の伸び代を信じて進め posted with amazlet at 17.07.27 メディカ出版 (2017-07-27)売り上げランキング: 73,644…

【症例報告】初診時の説明は、あとになって役立つことがある。

AVIM(無症候性脳室拡大)という概念がある。 www.ninchi-shou.com 画像上は非常に疑わしくても、その時点で症状に乏しければ様子観察でもよいと思う。 ただし、「将来的に水頭症が顕在化することは十分にあり得る」ということを強調しておけば、いざという時に思い出…

2年越しで届いた、患者さんへのメッセージ。

これまでに何度か、認知症患者さんから「先生はエクボが出るね」と言われたことがある。 ちなみに、ご家族からは一度も言われたことはない。

LPシャントで復活して、2年が経過した方。

以前ブログで紹介した方の経過報告。 www.ninchi-shou.com

運転免許継続に関わる診断書作成の難しさ。

今回紹介するのは、前医で認知症(病型不明)と診断されて抗認知症薬を内服中だった方。 ご家族のご希望で当院にお引っ越しとなったのだが、運転免許にまつわる問題の難しさを改めて感じたので書いてみる。

認知症患者家族に念書を書かせる警察。

認知症の進行に伴い高まる徘徊のリスク。 夕方症候群のように特定の時間帯でソワソワし始めることもあれば、前触れなくいきなりいなくなることもある。

硬膜下腔が拡大している頭部CTから考える、3つの可能性。

水頭症について、以前総論的な記事を書いた。 www.ninchi-shou.com 今回は、「これは外水頭症かな?」と自分が感じた症例から、水頭症患者の頭の中で起きていること、そして頭部CTを見る際の注目点について述べる。

【症例報告】アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症の男性。

ある治療により現在の状況を好転させる可能性があっても、結果的に年齢を考慮して「もう年だしね・・・」で様子を見ることは多い。それはそれで一つの決断である。リスクを取りにいった結果、逆に具合が悪くなることもあるため、一律にみなリスクを取るべきとは思わな…

【症例報告】グループホーム入所が決まり、お別れとなった前頭側頭葉変性症(意味性認知症)の方。

約2年3ヶ月経過を診てきた方。 グループホーム入所を切っ掛けに施設の嘱託医とバトンタッチすることになり、先日の外来が最後となった。 ご本人が最後に見せた優しく、そしてどこか不安そうな表情が心に遺った。

【症例報告】70代女性。パーキンソン病発病後に、徐々に認知面低下が低下した方。

今回は考察抜きの症例報告。 まずパーキンソン病を発症、その後認知面が低下してきた施設入所中の方。 従来このような方はPDD(認知症を伴うパーキンソン病)と呼ばれ、DLB(レビー小体型認知症)と区別されていたが、近年PDD、DLB共にLBD(Lewy Body Disease、レビー…

髄液排除試験(タップテスト)で歩行が改善しても、本人が納得しなければ手術は出来ない。(当たり前)

検査や治療を行うに当たっては、当然だが本人の同意が必要である。しかし、患者さんが認知症の場合、本人の同意を得るのは途端に難しくなる。 ただし、認知症により理解力や判断力が落ちていても、本人が穏やかに医者の説明を聞くことができて、かつご家族のご理解と…

【症例報告】初診時から語義失語が目立った意味性認知症の方

初診時からかなり語義失語の目立った方であった。周辺症状がほとんど出ないまま経過してくれているのが救いだが、中核症状進行により介護負担度は少しずつ増している。 早期に質の高い介護サービスに繋げられるかどうかは、その後の介護に大きく影響する。

偶然の産物。アリセプト+レミニールの同時処方が著効していた、レビー小体型認知症+特発性正常圧水頭症の方。

現在保険で認可されている抗認知症薬は4種類ある。 アリセプト レミニール リバスタッチパッチ(イクセロンパッチ) メマリー 1~3はAchE阻害剤(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤)で、4のメマリーだけ作用機序が違う。 1+4、2+4、3+4という処方は可能だが、1+2のよう…

自分にとって理解困難な対象を、病気認定して済ませてしまおうとしていませんか?

数年前に、とある講演会で座長を務めたのだが、その時の演者が自信たっぷりにこう言い放っていた。 今あるエビデンスに基づくと、抗認知症薬は可能な限り速やかに最高量まで増量した方が、認知症の進行抑制効果が出ている。少量投与ではそのようなエビデンス…

糖質制限+フェルガード+ココナッツオイルで2年間フォローしてきた軽度認知機能障害(MCI)の方。

自覚的、他覚的改善が得られているようです(^^)/

糖尿病を合併している認知症患者さんの、治療目標設定の難しさについて。

約2年経過を診てきた方。経過中に改善の感触はあったが、最終的にはご本人やご家族の満足度が高いとは言えない状態のまま、お別れとなった。

正常圧水頭症を合併している混合病態で気をつけていること。

以前、このような記事を書いた。 www.ninchi-shou.com 複数の病態が共存している場合、何から手を付けるかは重要である。緊急で改善すべき点があれば、そこから取り組む。さし当たっての緊急性が無ければ、早めの是正が望ましい点を見つけて、そこに取り組むようにし…

LPシャントから1年後の、頭部CTにおける変化。

以前ご紹介した方の、その後を報告。 これまでの経過は下記を参照。 www.ninchi-shou.com 今回、術後1年ちょっとが経過したので評価を行った。

スマートフォンアプリ(こえとら)を用いた、認知症患者さんとのコミュニケーション。

認知症患者さん、特に語義失語(相手の言っている言葉が分からない)のある患者さんとのコミュニケーションには難渋することが多い。 今回は、あるご家族の工夫を紹介してみる。

疑わなければ気づけない。気づけなければ、改善には繋がらない。

ある診療所から相談のあった患者さんを紹介。 疑わなければ気づけないし、気づけなければ改善には繋がらない。

離島の認知症患者さん達が持つハードル。

離島の多い鹿児島ならではの事情だが、種子島や奄美大島、徳之島、屋久島など様々な島から患者さんはやってくる。 極力地元で診て貰えるように配慮しているが、地元の病院や家族が認知症に対する理解が無い場合には、遠路はるばる通院せざるを得ないこともある。

【経過報告】フェルガードを使用して2年経過したMCI~ATD疑いの女性

以前ブログで紹介した方の、その後の経過について報告。 フェルガードの種類や用量を変更したり、抗認知症薬を加えたりなどしながら経過をみている。 幸い、易怒性を含む周辺症状が全く無い方である。長谷川式テストの点数は変動しながら低下しても、全体的には穏や…

誰のための診断か?何のための診断なのか?

「認知症の確定診断をお願いします」という言葉を聞くたびに、蘇る苦い記憶がある。そして同時に、 その確定診断とは、誰のための、何のための診断ですか? という想いが心に浮かぶ。

そろそろ米寿。認知症などどこ吹く風の女性。

今回は、ある事情によりいつの間にか抗認知症薬を卒業していた方をご紹介。 薬を続けようが続けまいが、いずれ長谷川式テストの点数などは下がっていく。テストの点数を基準にし続けるよりは、「生活全般の質が低下していないか?」という視点で見続けることの方が大…

正常圧水頭症の治療で、体幹バランスが改善した症例

とある病院にご入院中だった方。 これまで統合失調症+正常圧水頭症というケースの治療例はあったが、双極性障害合併例は初めてだったのでご報告。