鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

アリセプトへの反応で診断が変更になった方。パーキンソニズムを起こしうる薬には注意が必要。

 

アリセプト(ドネペジル)は、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症のいずれに対しても保険適応のある、日本で唯一の抗認知症薬である。

 

  • アルツハイマー型認知症(ATD)・・・アセチルコリンが減る認知症
  • レビー小体型認知症(DLB)・・・アセチルコリンとドパミンが減る認知症

 

神経伝達物質に着目してATDとDLBを極めて大雑把に分けると、上記の様になる。

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【書評】「パーキンソン病ー少しずつ減薬すれば良くなる!ー」を読んで。

 

少し長くなるが、本書巻末からの引用で記事を始めることにする。 

 

日常の外来診察を通じて感じることは、25年前よりもはるかに病状が多様化・複雑化しているということです。特に、PDD(認知症を伴うパーキンソン病)タイプにおいて認知症や精神症状の多様性についての解釈や評価が難しいという印象を受けます。

 

それにもかかわらず、安易に治療薬が次々と追加されていくだけの処方が普通に行われているのが現実です。過剰な他剤併用処方による薬物治療がほとんど効果を期待できず、反対に副作用で病状が悪化しているという事実を正しく認識しようとしない、外来医が数多くいることに失望させられます。

 

自らの頭で十分に考えることなく、ただ処方マニュアルなどをそのまま引用したような処方パターンが多く、閉口させられます。判で押したように、どんな症例に対しても、コリンエステラーゼ阻害薬を追加しておけばいいというステレオタイプ的な処方がその典型だと思われます。

 

我々医者が外来診療でまずすべきことは、目の前の患者さんに真摯に向き合い、十分な問診と診察を行い、病状を正確に評価することだと考えています。(p289〜290より引用)

 

これは、長年パーキンソン病を診てきた著者からの、神経変性疾患診療現場への怒りを込めた『警世の書』である。

 

パーキンソン病は少しずつ減薬すれば良くなる

 

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【症例報告】期間限定の漢方使用と果物摂取中止で、頭痛そのものが殆ど消失した方。

今回紹介するKKさんは、60代前半の女性。

 

若い頃からの片頭痛持ちで、鎮痛剤と縁が切れないとご相談があった。片頭痛は加齢とともに和らいでいくことが殆どで、60歳を過ぎてもまだ片頭痛に悩まされているという方は、片頭痛以外の頭痛の可能性について検索する必要がある。

 

KKさんには片頭痛の要素がまだ残っていたので、呉茱萸湯で対応を開始した。加えて、天候左右性の頭痛もあったので、これは五苓散の屯服で対応するようにした。

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ビタミンCについて。

 

健康のためにビタミンCを積極的に摂取するようになって、3年ほど経つ。

 

インフルエンザが大流行している今は、おおよそ6g~8g/dayの摂取量である。外来が立て込んできてストレスフルになってくると、更に2g~3gを追加で摂取している。

 

血中濃度を1とすると、脳には20、白血球には80、副腎には150のビタミンCが存在すると言われている。これは、それらの臓器では特にビタミンCが必要とされていることを意味している。

 

「ビタミンCは水溶性ビタミンだから、摂ってもしばらくしたら尿に出ていくので大量摂取は意味がないのでは?」と聞かれることがあるが、副腎にも白血球にも脳にも十分な量のビタミンCを届けるのに、推奨量(RDA)の100mgでは間に合わない。

 

水溶性で貯蔵が困難だからこそ、一度に大量摂取ではなく、間欠的に十分量の摂取が望ましいと考えて実践している。

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娘さんからの一報で、手術を回避出来た男性。

 

先日、ある患者さんの娘さんから当院に電話があった。

 

「先ほど父が転倒して頭を怪我したとのことで、〇〇病院に救急搬送されたみたいです。私はいま出先にいて詳しいことは分からないのですが、〇〇病院の先生から電話で『急性硬膜下血腫を起こしているから、緊急で手術が必要だ』と言われました。」

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