鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

【症例報告】初診から2年経過したアルツハイマー型認知症の方。

 

一般的な認知症外来における抗認知症薬の処方基準とは、どのようなものであろうか?

 

他院から当院に引っ越してくる患者さん家族の話から推測するに、「認知機能テストが基準以下(HDS-Rなら21点未満)・VSRAD*1で関心領域の有意な脳萎縮」といったことを基準に処方されていることが多いように感じる。

 

今回紹介するTMさんは、初診から2年が経過した方である。

*1:MRIを利用した、脳萎縮の解析ソフト

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【症例報告】夫を見送った後、静かに世を去った女性。

 

今回ご紹介するNMさんは、高度認知症だった90歳の女性。夫(軽度認知障害)と共に高齢者住宅に入居していた。

 

3ヶ月以上も不穏不眠で奇声を上げ、他の入居者から苦情が出るほどであった。 

 

初診時は意思疎通が全く取れず評価も困難であったが、施設スタッフと細かく連絡を取り合いながら陽性症状の緩和に努め、介入から2ヶ月ほどで落ち着きを得ることが出来た。

 

その後しばらくして夫が先に逝き、それを追いかけるようにNMさんも世を去った。

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「バランス重視」という言葉から垣間見えるもの。

 

50代の女性Aさんが、頭痛を訴えて来院した。

 

Aさんは出産後に30kg以上体重が増え、またうつ病を発症し、現在心療内科通院中とのことであった。

 

診察の結果、緊張型頭痛と天候左右性頭痛の合併と考え、緊張型頭痛頭痛にはスーパーライザー照射を、天候左右性頭痛には五苓散屯服を、それぞれお勧めした。

 

2週間後に確認したところ、「いずれも効いた」と教えてくれた。

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アリセプトへの反応で診断が変更になった方。パーキンソニズムを起こしうる薬には注意が必要。

 

アリセプト(ドネペジル)は、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症のいずれに対しても保険適応のある、日本で唯一の抗認知症薬である。

 

  • アルツハイマー型認知症(ATD)・・・アセチルコリンが減る認知症
  • レビー小体型認知症(DLB)・・・アセチルコリンとドパミンが減る認知症

 

神経伝達物質に着目してATDとDLBを極めて大雑把に分けると、上記の様になる。

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